思考の種

覚書として

「3人の大工」の話に隠された真の教訓

「3人の大工」の話に隠された真の教訓

あるところに、3人の新人の大工がいました。 その大工はそれぞれレンガを積んでいます。

そこにある人が訪ねてきて、各人に同じことを聞いて回りました。 「今、あなたは何をしているんですか?」

1人目の大工は答えました。 「見れば分かるでしょ?ずっと壁を作っているんですよ。単調な作業だけど、仕事をしなきゃ家族を養えない。邪魔しないでくれ!」

2人目の大工は答えました。 「俺は学校を作ってるんだ。大工の腕を磨いて立派な棟梁になるんだ!」

3人の大工は答えました。 「俺はここに子供たちの夢を作っているんです。子供たちの大きな夢が集まる学校を作っているんですよ!」

3人の大工の意識

1人目の大工

ジョブの価値観。 報酬のために働いている。

2人目の大工

キャリアの価値観。 出世のために働いている。

3人目の大工

コーリンの価値観。 崇高な目的のために働いている。

以上は仕事の価値観を考えさせる有名な話である。 この話をすると、聞き手は「自分は3人目の大工のようになろう!」といった反応を見せることがほとんどである。

確かにコーリンの価値観で働いている者は幸せである。 しかし、この話の教訓はそれだけなのであろうか?

少し3人の大工の背景を想像してみよう。

価値観の違いはいつ生じた?

3人はそれぞれ何にフォーカスしたかで違いが生じたのは間違いない。 では、そのフォーカスに至ったのは各々の資質だったのであろうか?少し高度を上げて見てみよう。

彼らは何を聞いたのか?

1人目の大工は棟梁から 「お前の仕事はここからここまでを今週中に仕上げることだ。今回は大口の仕事だ。無事終わったらボーナスが出るから家族と美味い飯でも食いに行ってこい!」 と言われていたのかもしれない。

2人目の大工は現場で社長が棟梁に 「今回の大口の仕事が上手くいけば、会社も大きくなるから、新たに棟梁が必要になるな。」 と話しているのをたまたま聞いたのかもしれない。

3人目の大工は学校の創設者が建築会社社長に 「ここに学校を建てるのが長年の夢でした。今までこの地域の子供たちは教育を受ける機会がなく、将来に夢も持てないでいました。ここに学校ができれば子供たちの未来も大きく変わるんです!よろしくお願いします!」 と念願が叶った事を涙ながらに話しているのをたまたま聞いたのかもしれない。

さて、3人の違いは資質だったのであろうか?

彼らが得た情報が異なれば無意識に違う価値観を持ち得たのではないか?

つまり、ここで得られた新たな教訓は、3人目の大工になることを目指すのではなく、3人目の大工をつくりだせる影響者であれということだ。

自分の会社ではどうであろう?

上司から部下への励ましの例としては…

  • このプロジェクトが成功すればボーナスが出るぞ!

  • このプロジェクトが終われば長期休暇がとれるぞ!

  • 残業が多くなってしまっているが、残業代はしっかり出るからな!

  • ここでの踏ん張りが君の成長になるんだ!

  • ここで将来のために管理職としての考え方を身につけるんだ!

…など。それぞれがどの大工を育てることになるかは一目瞭然であろう。

では、3人目の大工を育てるためには何を言えばよいか?

その答えは自身がコーリンの価値観で仕事をしているのであれば明白であろう。

人生を選択する

人生を選択する

ビジョンを描く

最高の状態をイメージする

望む人生を手に入れられない最大の問題は、理想の状態をイメージしないことだ。 そして私たちがやらなければならない最初のことは、自分の望む人生をイメージすることだ。

自分の限界を再設定する

理想の状態がイメージできたら、最高以上の状態になるために自分の限界を再設定する。

理想の人生を選択する

自分が人生の管理者であることを自覚する。 そして、計画をし、決断を下す。全てにおいて。

人生を計画する

1日のセットアップを行う

人生の目的を見据えて、そこに1歩近づくための小さなステップを毎日設定する。

1日のフィードバックを行う

フィードバックは人生という航海の羅針盤。 長い旅を続けるにあたり、一日の終わりには、旅の進み具合や問題点を注意深く評価する。

繰り返される思考を選択する

自分自身の人生に責任がある。

人生に影響を与えるのは行動である。 行動に影響を与えるのは思考である。 人生をコントロールするために思考のコントロールをマスターしよう。

自分の話す言葉に注意する。

ふだん私たちが話していることが、私たちの未来をつくる。 私たちが人の欠点などの否定的なことを口にする習慣があれば、私たちの未来はそういったネガティブなもので満たされる。 私たちが、夢、希望、豊かさの話をすれば、私たちの人生は喜びと豊かさに満たされることになる。

自分の感情を記録する

感情を記録することで引き寄せているものの方向性が見えてくる。 望む未来を確実に引き寄せるために思考の中での言葉には注意する。

流れに身をゆだねる

どれだけ入念に計画を立てても必ず想定外の出来事が起こる。 それでも大丈夫。ここまでしっかり自分の人生を意識してきた。その時の直感を信じて大胆に決断すればいい。 初めにイメージした理想とは違う場所に行き着くかもしれないが、理想も人と同じで時間とともに変化するものだ。

人生を信頼する。

必要なときには必ず、助けは来る。 人生を信頼できる者にだけ、幸せは訪れる。

他責では前に進めない

自責と他責

出来事に対する反応には自責と他責の2つの心理状態がある。

自責 問題の原因が自分の行動やスキルにあると考えている状態。

他責 問題の原因を他人や環境のせいと思っている状態。 〜だから仕方がない。〜がなければ…。 などといった発言が特徴的である。

それぞれの心理状態で将来がどのように変わっていくか、考えてみよう。

他責の状態では成長できない

他責の状態での行動

他責の状態では自分に原因があるとは考えていないので、反応が受け身になる。 結果として - 愚痴を言う - 我慢する - 逃避する などといったアクションを起こすことになり、当然本人の成長は見込めない。

自責の状態での行動

一方自責の状態では、原因は自分にある。言い換えるなら自分が変われば状況が変わると認識している状態である。 この状態でのアクションは、 - 自身のスキルアップのための勉強 - 状況改善のための規格作成 - 状況を改善できる立場へのキャリアアップ といったものとなり、状況を改善するとともに自身も大きく成長していく。

では、どうすれば他責から自責にシフトできるのか?

基本的には自問を繰り返すといった愚直な方法が効果的である。

この時に状況を紙に書き出し、視点を変えながらその内容に対して、自問をすることで思い込みのフィルターを外しやすくなる。

自責の可能性が見えてきたら、最後に必要なのは勇気である。

自責を認め、勇気を持って行動に移す。 行動は小さくても大丈夫。 小さくても動き出せばそこからどんどん転がっていくから。

問題を言語化する

問題を言語化する

 
頭の中で問題がわかっているつもりでいても、それが言語化できないのであれば、それは本当はわかっていない。
 
問題がわかっていないのであれば、当然解決することもできない。
 
そして、思考の無限ループに陥る。
 
「考えているんだけど、なかなか答えがでない」というのはループに入ってしまっている可能性が高い。
 
では、どうするか?
 
まずは、問題を定義する。
つまり、言語化だ。
 
次に理想の状態を定義する。
 
スタートとゴールを定義したら、その間の障壁を書き出す。
 
そして、障壁を打ち破る方法を考える。
1度で障壁を打ち破るのが難しければ、障壁を細かく刻んで攻略していく。
 
この一連の流れの中で、考えを常に文字にすることで一歩ずつ前に進んでいく。
 
問題解決においてはこの「とにかく進む」感覚が大切である。

苦しみは出来事とは何の関係もない。

苦しみは出来事とは何の関係もない。
 
出来事に対する反応のなかにあるだけだ。
 
出来事はただ起こっているだけだ。
 
それを自分がどう感じるかは、まったく別の問題だ。
 
では、なぜ人によって同じ出来事でも感じ方が違ってくるのか?
 
それは出来事と反応の間に解釈があるからだ。
 
解釈次第で反応はいくらでも選択することができる。
逆境に強いリーダーは解釈にフォーカスできるので、ピンチを逆手にとりビッグチャンスに変えている。
 
ここで注意が必要なのは、どんな反応を選ぶにしろ責任を伴うということである。
 
その責任とは「選択に対する責任」ではなく「選択の結果に対する責任」である。
 
今の自分は過去の自分の選択の結果である。
 
そして、この瞬間も絶えず選択を繰り返している。
 
未来の結果を考えれば、今とるべき行動は自ずと見えてくるであろう。

「当然」という思考の落とし穴

人が生きていく上で(仕事においても)、他者とのコミュニケーションの問題は避けることができない課題である。

 
コミュニケーションギャップはあらゆる場面で発生する。
 
それはなぜか?
 
人は基本的に自己中心的だからである。
 
人々は同じ空間に存在しながら、各々が異なるレンズ(主観)で独自の世界を創造している。
 
それゆえに同じモノを見聞きしても、認識が異なってくる。
 
さらに、たちの悪いことに自分のことは相手が「当然」察してくれると、半ば無意識に思い込んでしまっている。一種の期待である。
(ハイコンテクスト文化が根強い日本人は特にその傾向が強い)
 
しかし、実際には他人はその人自身の創造した世界(認識)の中で生きている。
 
結果として、「当然」察してくれるという期待は裏切られる可能性が高くなる。
そしてそれにより、失望する。
 
 
問題はどこであろう?
 
食い違いが生じたのは、相手が自分の世界の「当然」のルールに従って動くと考えたところであろう。
 
では、どう対処すればよいか?
 
各自が独自の世界をもっていることを理解し、相手との世界観(脳内地図)の確認作業、擦り合わせを行いうことで、お互いの世界の形を限りなく近づけていくという事が必要になる。
 
具体的な方法として以下の3点をあげる。
 
1.一緒にいる時間を増やし、共通の経験を増やす。
共通経験からコミュニケーションの可能性を拡げる。
 
2.相手の体験や立場をイメージし、自分の主観世界に描き出し、そこから観察する。
コミュニケーション能力の高い人はこの立ち位置からの会話が非常に上手い。
 
3.相手の世界に自分の世界の景色を描き出させる。
この段階にもっていけると最良なコミュニケーションがとれる。(相手を動かすコミュニケーション)
一部のカリスマを除き、通常は1.2.の段階を経て3.に至る。
 
 
コミュニケーションにおいては自分と相手とでは異なる世界を見ていることを常に意識し、お互いの世界観を理解しようとする努力が必要である。

思考停止状態を抜け出す技法

なぜ、人は思考停止してしまうのか?
 
思考停止の状態の人は繁く「〜だから仕方ない」「個人の力ではどうすることもできない」と匙を投げる。
 
思考停止は『思い込み』によって引き起こされるのかもしれない。
 
では、思考停止の状態を抜け出すためには、出来事(問題)を『事実』と『思い込み』に分解し、抽出された事実をさらに『事実』と『思い込み』に分解するという作業を繰り返すことが有効とではないか。
 
ここでの『思い込み』の定義は客観的に事実と確信または証明できるモノ以外の全てである。
 
具体的な思考の流れを理解するために例題で考えてみる。
 
例題
『仕事量が多く、定時に帰ることができない』
 
自問
「仕事量が多い」というのは思い込みでは?
 
事実
勤務時間8時間に対して、やらなければならない仕事A(4時間),B(3時間),C(2時間),D(1時間)があり、勤務時間に対して仕事が2時間分多く存在している。
 
自問
「やらなければならない仕事」というのは思い込みでは?
 
事実
Aの仕事が終わらないとクライアントに迷惑がかかる。
Bの仕事が終わらないと他のチームのプロジェクトの進行が遅れてしまう。
Cの仕事は上司から今日が期日と告げられている。
Dの仕事は必ずしも今日でなくともよい。
 
行動
Dの仕事は今日はやらないと決断する。
本当の期日を明確にしてリマインドする。
 
自問
Cの仕事の期日は本当に今日なのか?
 
事実
上司が来週のプレゼンで使用する資料を作成するためにC関連の一部データが必要である。詳細な報告は今月中でもよい。
 
行動
上司が必要としているデータを今日中に集計する(1時間)。残りの仕事は本当の期日を明確にしてリマインドする。
 
ここまでで、理論上は定時に帰れることになる。
 
必要に応じて、さらに深く掘り下げたり、別の切り口で掘り下げ直すなどして思考を繰り返す。
 
別の切り口を考えるとすれば…
 
仕事が終わらないと帰れないというのは思い込みでは?→移動中でもできる仕事を持ち帰りにして、通勤時間にやる。
 
仕事量>勤務時間だと定時に帰れないは思い込みでは?→朝早く出社して定時に帰る。
 
…解は思考した数だけ現れる。
 
思考停止状態を感じた時には、表面を覆っている思い込みのベールをひとつずつ取り除いていくことを考えてみよう。

強みを磨く


強みを磨く
 
ストレングスファインダーを組織運営に活かすには、どうすればよいであろう?
 

強みとは何か?

 
強みとは才能知識技術の掛け合わせである。
  • 才能とは、無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンであり、資質の組み合わせにより独自のものとなる。
  • 知識とは、学習と経験によって知り得た心理と教訓である。
  • 技術とは、行動のための手段である。

 
強みを築くには、才能が重要である。

 
それはなぜか?

 
それは、常に完璧に近い成果を得られる事が強みの絶対条件だからである。
どんな仕事であれ意思決定は分刻みで訪れ、反射的に決断している。そして、そこでの判断は最も抵抗の少ないシナプス結合(才能)を通して行われるためである。
また、知識、技術は歳をとってからでも修得する事ができるのだが、才能に関しては16歳前後でニューロンの反応パターンが固定されてしまい、つくりかえることは困難だからである。
そのため、自分の才能を把握し、必要な技術と知識の助けを借りて才能を磨けば、だれもが強みを活かした強固な人生を築くことができるのである。

 
 
 
組織における個人の強みの意味
 

マネジメントとは、人の強みを発揮させ、弱みを無意味にすることである。
byピーター・ドラッカー

 


組織活動において生産性を個人の能力の総和ではなく、相乗にするためには個人の強みにフォーカスする必要がある。

強みにフォーカスした、マネジメントにおけるマネジャーの仕事は信頼関係構築、強みの理解、強みへの投資を絶えず繰り返すことである。

「強みを活かす」とは「人を活かす」ことであり、強みにフォーカスしたマネジメントによって、部下のQOL3倍、エンゲージメントは6倍になるというデータが出ている。

 
人事考課と個人の強みの関係

 
評価のバイアス問題
 
人は自分の得意ことを重要と評価し、不得意なことはあまり重要ではないと評価する傾向にある。
 
多少のミスは気にせずにガンガン行動するタイプの人間が評価者になると、「積極性」のある人間を高く評価し、「正確だが慎重」な人間を「行動力に欠ける」と低く評価する傾向にある。
逆に慎重に仕事を進めるタイプの人間が評価者になると、「正確さ」のある人間を高く評価し、「積極的だが正確さに劣る」人間を「軽率」と低く評価する傾向がある。

 
では、どのような基準で評価を行えばよいのであろうか?

 
答えはマネジメントが「人の強みを発揮させ、弱みを無意味にすることである」のであるのならば、「強みを発揮できているか?」を評価し、「弱みを打ち消す人員配置」を行うべきである。
そのためには個々人の強みと、その特性を十分に理解する必要がある。
 
これらの目的をもって、ストレングスファインダーを実施する。

 
 

筆記瞑想法

筆記瞑想法
 
頭の中のモヤモヤを解消するための新しい手法として、「紙への思考の書き出し」「瞑想での自分から離れた位置から俯瞰する感覚」を混ぜ合わせたら、どうであろうか試してみる。
 
 
頭の中に浮かぶ思考をひたすら紙に書き出す。
1つの瞬間に2つの事は考えられないので、「今」浮かんでいることをそのままに書いていく。
思考のままに書き写すので、文章が途切れたり、意味が不明だったりすることもあるが、それは気にしなくてよい。
 
この時、思考から筆記の流れを反射で行うことが大事である。
つまり、浮かんでくる思考に対して判断をしない。
言い換えるなら第三者的に俯瞰するということである。
これは瞑想での雑念の扱いと同じ。
 
思考が止まったときは、ペンはそのまま自然に動かし続ける。文字を書くことが目的ではないので、手が動くままにしておく。
 
用紙はA4以上のサイズで横書きで使用する。
用紙の左下から右上に向かって書き進んでいく。
 
時間を決めるか、自分がスッキリしたと感じたら終了とする。
 
この筆記瞑想は想定していたより、効果があるようだ。
まず、書き出しを行っているためか、思考の無限ループが解消される。
それでいて、積極的に思考を掘り下げようともしていないので思考の深みにもハマらない。
筆記瞑想後に紙に書き出された内容を見ると、ハッキリした文字が徐々に崩れてゆき、無の状態に近づいていることが観察できる。
筆記瞑想中には気づかなかったが、後から見返したときに意外な着想が落ちているという副産物も得られることがわかった。
 

多重人格会議

多重人格会議
 
イデアや戦略が煮詰まった時の対応策としての多重人格会議に関して考える。
 
思考のための紙への書き出しの発展型として、複数人格を切り替えながら、意図的に思考の切り口を変化させてみる。
 
この作業の間は内省の質を高めるために外部との繋がりを遮断しておくとよい。
場所は書斎、ラウンジ、カフェなどがよく没入できる。
 
複数人格を創り上げる。
環境の用意ができたら、思考会議の出席者を創造する。
ここでは思考パターンが異なる特徴的なキャラクター設定をする。
キャラクター設定の切り口は任意でよいが、尖ったキャラクターの方が突破口をひらいてくれる可能性が高いように感じる。
 
例えば…
 
とにかく真面目でロジカルシンキング頭なキャラクター
 
楽観的でラテラルシンキング頭なキャラクター
 
口数少ないが質問が核心をついてくる、クリティカルシンキング頭なキャラクター
 
など。
 
それ以外にも、実在の人物でモデルにできる人がいるのであれば、その人をインストールしてもよいであろう。
 
ここで、キャラクターを創造する上での注意点が3つある。
 
注意点の1つめは、1人目の人格が安定してから次の人格を創るということである。
初めから多数のキャラクターを創ると人格が混在してしまい、上手く思考できないといった問題が起こる可能性がある。
 
注意点の2つめは、どれだけ優秀なキャラクターを創造したとしても、自分の知識、経験の枠を越えることはないということである。
人格の切り替えの目的は思考パターン(ニューロンの回路形成)に変化を与えることなのである。
 
注意点の3つめは、最終的な判断は主人格が下すということ。
別の人格に入り込んでいるときには思考にバイアスがかかっているので、その人格の状態で最終的な結論を下すことは避けるようにする。
 
 
人格の切り替えの方法
 
人格を切り替える際のアンカリングを考える。
 
体の部位、動きをアンカーにしてみたが、後から記録を見返したときに、どの人格の意見かわかりにくくなり失敗。
 
そこで見返した際の分かりやすさを高めるためにペンの色をアンカーにする。
色は人格のイメージと合わせる。
こちらはよく機能した。
 
ペンは万年筆を使用すると字の太さ、強弱、濃淡などが表現され後から見返したときの再現性が良い。
多色ボールペンは携帯性には優れるが、線が一定で個性が出にくいように感じる。
 
紙は思考の妨げにならないよう、滑りの良いものを使用する。また、思考の拡がりに制限がかからないようサイズは大きいものがよい。
 
 
 
この思考法は独力でブレイクスルーを見出さなければならない状況において有効である。
チームでのブレストが実施できるのであれば、そちらの方がよいであろう。
 

Evernoteにおける着想の鮮度管理法

着想の鮮度管理に関して考える。
 
情報の鮮度
 
情報の価値は鮮度の影響を強く受ける。
時間による劣化の程度は情報の種類により異なる。
原理原則などは劣化しにくいが、ニュースなどの情報は半日経っただけでもひどく劣化してしまう。
 
しかし、時間の経過で新たな価値が生まれる場合もある。
熟成されることで旨味が出てくるということだ。
また、新しい情報、技術の出現で過去の情報が活きてくるケースも稀にある。
 
では、Evernoteでの情報管理はどうのようにすればよいのか?
 
そもそもEvernoteではデフォルトで最新の更新情報が上部にくるようにできているので、「今」価値のある新鮮な情報が目につきやすくなっている。
賞味期限切れの情報はノート数が増えるにつれ自然に埋もれていく。
しかし、埋もれても完全に消えるわけではないので、コンテキストで関連が強いと判断されれば再活用の可能性が残っている。
(この「埋もれても消えることはない」というのはEvernoteの強みの1つと言える)
とすれば、コンテキストでの復活の可能性が高くなるようにノートには可能な限り、デジタルでのテキストが入っていることが望ましい。
 
それとは別に、熟成した過去の着想と再会するために、ノート検索演算子を活用する方法を考案した。
 
ここでの目的は過去の情報からセレンディピティを得ることである。
着想やアイデアはイベントに関連して発生することが多いので「~年前の今日」に忘れてしまっている価値ある情報がある可能性が高い。
ここに当たりをつけてみよう。
具体的な方法としては、検索条件に「updated:day-372 -updated:day-357」と入力し、全ノートに対して検索をかける。
この検索の意味は「372日前~357日前の期間に更新されたノートを検索」となる。
言い換えれば「1年前の今日の前後1週間にいじったノートを検索」ということだ。
この検索で出てきたノートに目を通し、まだ情報としての価値があると判断できるものに対して、何かしらの追記を行う。
ここで検索演算子を「 created:」ではなく「updated:」を使用することにも重要な意味がある。
それは追記をすることで鮮度がリセットされるという考えからである。
つまり追記を行うことで着想が成長するとともに、鮮度が復活する(ノート一覧の最上部に表示されるようになる)ということを意識している
更新により鮮度がリセットされたことで、目に付く頻度が上がり、少なくとも、また1年後には「updated:day-372 -updated:day-357」の検索で再会できるというわけだ。
もちろん応用で検索期間の日にちを調整することもできる。
今は「1年前」の他に「3ヶ月前」「6ヶ月前」「3年前」などの検索演算子も使用している。
以上のようにして定期的に腐りかけた情報の中に熟れた情報がないかフィルタリングしていくことで知的生産の可能性を高めるという考えだ。
 
直近で重要と感じた着想が追記を受けながら常にノート一覧の上部にもってくる作業はデジタル世代の変形メタノートとも考えられる。
 
今後の発展として、Evernoteでランダム検索ができればさらに可能性を拡げられそうなのだが…
EverShakerも今は挙動が安定しないし、何か代替え案はないものか…

着想の捕らえ方

着想の捕らえ方

人は考えたことをすぐに忘れるので、着想は記録に残す必要がある。

では、どのように記録に残すのか? 

  1. アナログで書き留める
  2. デジタルで書き留める
  3. イメージで記録する
以上の3つの方法に関して考察する。
 
「アナログで書き留める」は古典的だが応用範囲が広く、文字でも図でも記録が残せる。
1番のメリットはペンさえあれば基本的にどこでも記録をとれることであろう。
昔であれば記録用紙は一定の規格で統一した方が取り回しが良かったであろうが、アナログメモは最終的にはデジタルに変換するので、用紙はどのようなもの(レストランのナプキンやホワイトボードなど)でも問題ない。
 
最終的に情報は一元管理したいので、アナログメモはスキャンにより、デジタルに変換する。
この際にOCRをかけたり、デジタルでキーワードを入れるなどして、検索性を高めておくと活用の可能性が高まる。
 
「デジタルで書き留める」ことのメリットは検索性の高さとアウトプットのしやすさである。
検索性が高まることで、情報が埋もれる可能性が低くなり、コンテキストなどの技術の発達によりセレンディピティを生み出す可能性も秘めている。
コピペで文章を移動させられることにより、手書きの転写に比べアウトプットのスピードは劇的に高まる。
また、情報をクラウドで一元管理することで端末に縛られることなく自分の情報にアクセスできることも大きな強みである。
ただし、アナログメモに比較しての書き込み形式の自由度の低さや、思考時間の欠如(コピペの副作用)などのデメリットもあるので万能とは言えない。
 
「イメージで記録する」ことのメリットは情報量の多さと、右脳への刺激である。
今はスマホやデジカメなどの機器を使い、容易にデジタル写真の撮影ができるので、イメージでの記録がとりやすくなっている。
イメージはテキストに比べ、圧倒的な情報量をもっているので、着想を得られそうなモノがあったらとりあえず写真を撮っておくとよいであろう。
ただし、イメージは理解するために脳内でテキストに変換(圧縮)するという工程が入るので、1度イメージのエッセンスをテキストに変換した場合は、そのテキストもイメージと一緒に記録しておく。
 
これらの方法で記録を残す際の原則は1つのノート(紙)に1つのテーマであること。
理由は1つのノート(紙)に複数の内容が混在していると、後で利用するときの取り回しが悪くなるためである。
2つの着想から新しい1つのアイデアができた場合には、そのアイデアのノート(紙)を新たに作成する。
 
着想はとにかく数を集める事で活きてくる。
どのような状況でも着想を取りこぼさないよう用意をしておこう。