思考の種

覚書として

アトピー性皮膚炎によい食品

アトピー性皮膚炎によい食品
 
 症状や反応は個人差があり、原因も、卵などの食物アレルギーもあれば、ハウスダストや細菌などの場合もあり、治療法も症状によって異なってきます。
 食事療法としては、アレルギー反応が出やすいものは避け、それに代わる食物を摂取して、体質を改善していきます。卵・大豆・牛乳は3大アレルゲンといわれていますが、いずれも栄養素としては必要なものですし、子供の成長期などに、アトピーを気にするあまり、栄養不足にならないようにすることが大切です。
 
α-リノレン酸
 
 α-リノレン酸は、しそ・えごまなどの濃緑野菜に含まれ、リノール酸と同様に体内では合成することができない必須脂肪酸です。ただ、リノール酸は大量にとるとアレルギーの原因となる成分を促し、皮膚炎を悪化させるといわれるのに対し、α-リノレン酸は体内に取り入れられると、EPAやDHAに代謝され、アレルギー反応を緩和する作用があります。α-リノレン酸を含む植物油は酸化に弱いため、加熱しない調理法にします。
 
EPA
 
 体内ではつくることができないものですが、アトピー性皮膚炎のかゆみや発疹の改善に効果があります。EPAは、はまち、さば、うなぎなど脂肪の多い魚に多く含まれています。しそやえごま油などのα-リノレン酸を含む植物油は、体内に取り入れられるとEPAに変わり、アレルギーの発症を抑える作用もあります。ただし、あじやさばなどの青魚にアレルギーがある場合は、違う魚で摂ることになります。
 
DHA
 
魚の脂肪に多く含まれています。DHAには、EPAと同様に、臓器内のアラキドン酸を抑制する作用があることから、アレルギー体質を改善し、アトピー皮膚炎の予防にも効果があるといわれています。摂取するときは、まぐろの赤身よりもトロというように、脂身が多い魚を摂る方が効果的です。
 
ビタミンB6
 
 もともと皮膚炎を予防することから発見されたビタミンで、タンパク質の代謝にはたらきかけ、免疫機能を正常に保つ上でも欠かせない栄養素です。ビタミンB6が不足すると、皮膚炎や口内炎などのアレルギー症状が出やすくなります。ビタミンB6は腸内細菌でも合成されるため欠乏症はおこりにくいといわれますが、抗生物質を長期服用したり、妊婦の人は不足しやすいので注意します。
 
キチン・キトサン
 
 かにの殻などに含まれる栄養素で、体内の有毒物質を排泄し、免疫力や治癒力を高める作用があります。かにやえびのほか、粉末や錠剤、カプセルなどで健康食品として市販もされています。
 
控えたい食品
 
 アトピー性皮膚炎は、生育期や個人によって症状はさまざまですが、比較的多く反応を示すものは避けるようにします。卵や牛乳、大豆、豆腐などや、その加工食品は、幼児期などに反応を示す例が多く、動物性油脂や植物油などの油脂類や、さば・いわしなどの青背の魚や貝類は、青年期や成人した後に示すこともあります。また、肉類では鶏肉や豚肉に多く見られ、穀物では、むぎやそばに激しい症状を示す例も見られます。