思考の種

覚書として

「当然」という思考の落とし穴

人が生きていく上で(仕事においても)、他者とのコミュニケーションの問題は避けることができない課題である。

 
コミュニケーションギャップはあらゆる場面で発生する。
 
それはなぜか?
 
人は基本的に自己中心的だからである。
 
人々は同じ空間に存在しながら、各々が異なるレンズ(主観)で独自の世界を創造している。
 
それゆえに同じモノを見聞きしても、認識が異なってくる。
 
さらに、たちの悪いことに自分のことは相手が「当然」察してくれると、半ば無意識に思い込んでしまっている。一種の期待である。
(ハイコンテクスト文化が根強い日本人は特にその傾向が強い)
 
しかし、実際には他人はその人自身の創造した世界(認識)の中で生きている。
 
結果として、「当然」察してくれるという期待は裏切られる可能性が高くなる。
そしてそれにより、失望する。
 
 
問題はどこであろう?
 
食い違いが生じたのは、相手が自分の世界の「当然」のルールに従って動くと考えたところであろう。
 
では、どう対処すればよいか?
 
各自が独自の世界をもっていることを理解し、相手との世界観(脳内地図)の確認作業、擦り合わせを行いうことで、お互いの世界の形を限りなく近づけていくという事が必要になる。
 
具体的な方法として以下の3点をあげる。
 
1.一緒にいる時間を増やし、共通の経験を増やす。
共通経験からコミュニケーションの可能性を拡げる。
 
2.相手の体験や立場をイメージし、自分の主観世界に描き出し、そこから観察する。
コミュニケーション能力の高い人はこの立ち位置からの会話が非常に上手い。
 
3.相手の世界に自分の世界の景色を描き出させる。
この段階にもっていけると最良なコミュニケーションがとれる。(相手を動かすコミュニケーション)
一部のカリスマを除き、通常は1.2.の段階を経て3.に至る。
 
 
コミュニケーションにおいては自分と相手とでは異なる世界を見ていることを常に意識し、お互いの世界観を理解しようとする努力が必要である。