思考の種

覚書として

思考停止状態を抜け出す技法

なぜ、人は思考停止してしまうのか?
 
思考停止の状態の人は繁く「〜だから仕方ない」「個人の力ではどうすることもできない」と匙を投げる。
 
思考停止は『思い込み』によって引き起こされるのかもしれない。
 
では、思考停止の状態を抜け出すためには、出来事(問題)を『事実』と『思い込み』に分解し、抽出された事実をさらに『事実』と『思い込み』に分解するという作業を繰り返すことが有効とではないか。
 
ここでの『思い込み』の定義は客観的に事実と確信または証明できるモノ以外の全てである。
 
具体的な思考の流れを理解するために例題で考えてみる。
 
例題
『仕事量が多く、定時に帰ることができない』
 
自問
「仕事量が多い」というのは思い込みでは?
 
事実
勤務時間8時間に対して、やらなければならない仕事A(4時間),B(3時間),C(2時間),D(1時間)があり、勤務時間に対して仕事が2時間分多く存在している。
 
自問
「やらなければならない仕事」というのは思い込みでは?
 
事実
Aの仕事が終わらないとクライアントに迷惑がかかる。
Bの仕事が終わらないと他のチームのプロジェクトの進行が遅れてしまう。
Cの仕事は上司から今日が期日と告げられている。
Dの仕事は必ずしも今日でなくともよい。
 
行動
Dの仕事は今日はやらないと決断する。
本当の期日を明確にしてリマインドする。
 
自問
Cの仕事の期日は本当に今日なのか?
 
事実
上司が来週のプレゼンで使用する資料を作成するためにC関連の一部データが必要である。詳細な報告は今月中でもよい。
 
行動
上司が必要としているデータを今日中に集計する(1時間)。残りの仕事は本当の期日を明確にしてリマインドする。
 
ここまでで、理論上は定時に帰れることになる。
 
必要に応じて、さらに深く掘り下げたり、別の切り口で掘り下げ直すなどして思考を繰り返す。
 
別の切り口を考えるとすれば…
 
仕事が終わらないと帰れないというのは思い込みでは?→移動中でもできる仕事を持ち帰りにして、通勤時間にやる。
 
仕事量>勤務時間だと定時に帰れないは思い込みでは?→朝早く出社して定時に帰る。
 
…解は思考した数だけ現れる。
 
思考停止状態を感じた時には、表面を覆っている思い込みのベールをひとつずつ取り除いていくことを考えてみよう。